2013年12月10日

ゼログラビティで思う事

おいしいものが食べたい、きれいな服が着たい、清潔で快適なところに住みたい。興味のある勉強や仕事に就きたい、と色んな欲望が人間にはあります。しかしこれらの欲望は、無意識下に「生きている事が当たり前」という前提があるからではないでしょうか。いうなれば生きる事への不安がないから生まれる欲望です。

日本中の皆さんへはアイソン彗星消滅でがっかりする暇なく、また新たな宇宙の話題がやってきました。
「ゼログラビティ」−この映画は宇宙という漆黒の暗闇の中で、人間の欲望の原点である「生きたい」に差し迫った作品です。

12月5日のレッドカーペッドに登場した主人公のサンドラブロックは、ショルダーオフのドレスといういで立ちながらも、ファンの熱気と相まって、冬空の六本木を吹き飛ばす迫力でした。
また自身の小さいお子さんが日本に来るのを楽しみにしてたり、日本が最後のワールドツアーになるのでビタースィートだとつぶやいていたキュアロン監督率いる一行も交え、楽しい雰囲気でジャパンプレミアは行われましたが、映画の内容は、宇宙を仕事として身近に感じる私たちですら恐怖を感じました。
上映後最後のクレジットに「NASA」はなかったものの、サンディは映画がクランクインする5カ月前から(おそらく宇宙)関係者のインタビューや筋力の訓練等欠かさなかったそうで、大女優である彼女からは一緒に宇宙飛行士を演じた、旧知のジョージクルーニーへ撮影現場ではジョークを禁止にしたほど、と。
この映画にかける役作りの真剣味も十分伝わってきます。

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それぐらい真に迫った内容ながらも、公開前のためネタばれにならない程度に私から1つだけ。
宇宙でライアン博士(サンドラブロック)の悲痛に暮れるシーンがあるのですが3D効果で、巨大な涙粒が観客席に飛び込んできます。
ところがです!実際の宇宙では涙は粒にならないをご存知ですか?
自然にあふれた涙はいつまでも目に張り付いてるんだそうです。
JAXAで過去催行したおもしろ実験での目薬投下では無重量下を利用して丸い液薬を目に押し付けていたため、私もこの話にはびっくりしました。(詳しくはJAXAWEB掲載のおもしろ実験をご覧下さい。)いわば涙は人間から作られた生ものだから…なのでしょうか…。

映画を見た皆さんは、おそらく生きている事の喜びやありがたみを改めてかみしめるかと思います。
もし私同様「怖い」と思った方は、どうぞこのお話を思い出して心を落ち着かせてください。
12月中旬から公開だそうです。

宇宙航空研究開発機構 広報部
鍛冶由紀子
posted by 事務局スタッフ at 09:42| UNIVERSEニュース