2014年07月31日

宇宙開発ペーパークラフトの製作

東京広しといえど、朝出勤してから間もなくペーパークラフトを作り始めるOLは私たちぐらいでしょうか。同僚には「朝から楽しそう」とか「うらやましい仕事だなぁ」とか、からかわれることも多いのですが、私たちは至ってまじめにペーパークラフトの試作品を作っています。

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これまでに作った試作品の一部。


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ペーパークラフトを作るときに使用する道具。おススメは、アートナイフ。
長時間握り続けても指が疲れません(つりません)。イプシロンロケットの
定規は、紙をしごく時に使っています。指が届かない所で使うヘラや
ピンセットはいただきもの。(私物 ※カッティングボードは除く)


そもそもペーパークラフトの製作を始めたきっかけは、Space iの連携科学館から「低予算で宇宙の企画展をやりたい」とご相談いただいたことにあります。JAXAから展示模型を無償で借りることができますが、輸送費用と保険料が掛かります。これらの費用でさえ、大きな負担となる科学館は少なくありません。そこで展示模型の代用品として、ペーパークラフトに白羽の矢を立てました。ペーパークラフトなら、「担当者の熱意」と「会議室程度のスペース」、そして「低予算」で、気軽にミニ企画展を開催することができます。輸送や置く場所に困ることもなく、取り扱いも手軽です。

最近はインターネットの無料配布が主流のペーパークラフトですが、私たちはあえて紙の質感や型紙(抜き入り)にこだわりました。多忙な学芸員の方が短時間で制作することができ、模型と並べても見劣りしないクオリティーを目指して設計を進めています。さらに、宇宙開発の広報に携わるJSFならではのこだわりとして、ロケットを開発する技術者が「外せない」と考えるポイントを表現し、どこかに「動く部分」を持たせることも課題としました。

まずは、シンプルな構造体のロケットの設計に取り掛かっています。今秋、現在活躍しているH-IIAロケット標準型(H2A202)やイプシロンロケットなど、主要ロケットの完成を目指しています。打ち上げパブリックビューイングの会場で説明に使ってもらえるように、実機と同様に分離できるタイプを試行錯誤しながら作っています。100分の1サイズのスケールモデルに統一することで、将来的に「日本の固体燃料ロケット」、「日本の液体燃料ロケット」などシリーズでの展示も可能となります。

また、このペーパークラフトには「解説シート」が付きます。ロケットを開発する技術者のお話が非常におもしろかったので、「解説シート」にまとめることにしました。こちらも、どうぞお楽しみに。

小学生以上を対象に、ペンシルロケットの工作キットを作りました。完成したペンシルロケットは、ストローを使って飛ばすことができます。全長23cmの標準型ペンシル(Half-30S)をモデルにしています。笑い話ですが、先端の鉄部分にさびが発生していることがわからず、写真を見ながら茶色の点々はなんだろうとずっと考えていました。JAXA宇宙科学研究所に展示されている実機を見て、一目瞭然でした。1955年に水平試射実験が行われてから60年近くも経っているのですから、さびていても不思議ではありません。

ロケットの次は、人工衛星を作りたいと考えています。難易度が高くなることは避けられないのですが、フェアリングに衛星を格納でき、太陽電池パネルを展開させ、主要な観測機器も作り込んで…と、夢は広がります。

日本宇宙フォーラム 広報・調査事業部
京田綾子
posted by 事務局スタッフ at 17:32| UNIVERSEニュース