2014年11月17日

ひまわり8号/H-IIAロケット25号機 打ち上げパブリックビューイング開催レポート

『スペースカフェ☆お茶の水』初となる打ち上げパブリックビューイング
10月7日、静止気象衛星「ひまわり8号」を搭載したH-IIAロケット25号機が、快晴の空の下、JAXA種子島宇宙センターから打ち上げられたのは、記憶に新しいところです。

今回は、JAXAの人工衛星が打ち上げられる時とやや勝手が異なったため、打ち上げパブリックビューイングの開催は少なかったようですが、御茶ノ水を宇宙の研究開発や科学の情報発信拠点とするべくスタートした地域連携活動『スペースカフェ☆お茶の水』(詳しくはhttp://www.scafe-ocha.jp/をご覧ください)としては、日本一有名な人工衛星の打ち上げの様子を、地元の方々と一緒に応援することとしました。

三省堂書店神保町本店とお茶の水小学校の協力を得て
独自の活動施設がないヤドカリ『スペースカフェ☆お茶の水』としては、そこそこの人が集まれる開放的な空間をご提供いただける「スポンサー」探しからスタートしなければならないのですが、この夏に開催した「子ども宇宙教室」に引き続き、三省堂書店神保町本店が全面的に協力してくださることになりました。しかも今回は、お店の一等地である玄関先を開放いただけるという、大変ありがたいお話でした。

パブリックビューイングの醍醐味は、大勢の皆さんと心を一つにして、緊張感を分かち合いながら打上げの様子を見守り、成功の喜びを共有することにあると思うのですが、今回ご提供いただいた場所は、まさにうってつけの空間でした。

会場が無事決まったところで、次なる課題は集客です。
今回の打ち上げ予定時刻は午後2時16分。早すぎず遅すぎず、適度な時間帯ではありますが、平日ということで、どこまで集客が見込めるかは未知数でした。もちろん、事前のウェブサイトでの告知や三省堂書店の店内告知など、可能な対応や協力をお願いしていたところですが、話題性を引き出すための工夫を施そうとの発想から、「子どもたちを招待しよう!」ということになりました。

平日の都会の一角で、子どもから大人まで幅広い層の人たちが、打ち上げの瞬間を見る・・・。イベント主催者としては、この上ないシチュエーションです。
善は急げということで、早速スペースカフェのスタッフが、地元お茶の水小学校の教頭先生をお訪ねしてご相談したところ、その場でご賛同いただき、同校の3年生児童約30名が見学に来てくれることになりました。

子どもたちの声援に後押しされて
10月7日午後1時30分、予定の時間ピッタリに、お茶の水小学校3年の生徒さんたちが会場に到着。その表情から、今日のイベントを楽しみにしてくれていた様子が分かりました。生徒さんと先生の着席を確認し、いよいよイベント開始です。

今回は、放送の内容が「大人向け」とのことでしたので、打ち上げ前後の時間帯や、ひまわり8号がロケットから切り離される時間帯以外は、イベント会場独自の解説で進行することとしました。
イベント開始から打ち上げ予定時刻までの約45分間、生徒さん達の集中力を保つことができるか、少々気がかりではありましたが、我々の解説に一生懸命耳を傾け、また質問などにも元気よく答えてくれながら、あっという間に時間が経過していきました。

予定では、打ち上げ10秒前からカウントダウンを行うつもりだったのですが、実況放送のカウントダウン音声につられる形で、打ち上げ20秒前くらいから、子どもたちによる大合唱が始まりました。
・・・3、2、1、0!
子どもたちの元気な声援と、子どもたちの背後から打ち上げの様子を見守っていただいた多くの方の期待に後押しされながら、ひまわり8号を搭載したH-IIAロケット25号機が、快晴の空の下、力強く打ち上がって行きました。
子どもたちの日ごろの行いが功を奏したのでしょう、この日の種子島は雲一つない晴天に恵まれ、固体ロケットの分離はもちろんのこと、普段なかなか見ることができない衛星フェアリングの分離の瞬間(打ち上げ約4分5秒後、高度約142km)まで確認することができました。

その後ロケットは青空に吸い込まれて見えなくなり、まずは一安心といったところですが、ひまわり8号がロケットから無事切り離されるまでは油断禁物です。打ち上げから約28分後に予定されているその瞬間に備え、会場は一時ホールド状態(トイレ休憩)に入りました。小学校のトイレとは広さも備えも異なるため、引率の先生はさぞ大変だったかと思いますが、衛星分離の瞬間までに全てのお子さんがミッションを終え、戻ってきてくれました。

衛星切り離しの瞬間のライブ映像は届かないため、打ち上げの時とは違った緊張感に包まれた様子でしたが、中継のアナウンサーによる「衛星分離!」の声が届いた瞬間、会場からは拍手が湧き起り、打ち上げ成功の喜びを共有することができました。

着実に進化している日本の宇宙開発技術
打ち上げパブリックビューイングは、打ち上げ直前での延期を想定しておかなければならず、リスクの高いイベントではありますが、最近はそういった事態に遭遇することは少なくなりました。
昨今のH-IIAロケットは本当に優秀で、9号機の打ち上げ以降、天候による延期を除き、「定刻打ち上げ」を継続しています。この事実は、H-IIAロケットの信頼性の高さと、オペレーション技術の高さを物語っており、本当に頼もしい限りです。
今回のイベントを通じて、日本の宇宙開発技術の進化を改めて実感することができました。

次回「はやぶさ2」打ち上げパブリックビューイングのご案内
「ひまわり8号」の打ち上げから休む間もなく、今月末には「はやぶさ2」の打ち上げが予定されています。今度は、千代田区役所1階の区民ホールをお借りして開催いたしますので、ぜひ会場にお越しください。

☆「はやぶさ2」打ち上げパブリックビューイング
・日時:平成26年11月30日(日)12:30〜16:00(予定)
 ※打ち上げ予定時刻:13時24分48秒 
 ※打ち上げ日時は変更になる場合があります
・会場:千代田区役所1階 区民ホール 100席(立見可)
 ※参加費無料、入退場自由
・ゲスト:宇宙航空研究開発機構(JAXA) 山田哲哉
 モデレータ:日本宇宙フォーラム(JSF) 寺門和夫
・主催:千代田区、スペースカフェ☆お茶の水 実行委員会
・問合せ:(一財)日本宇宙フォーラム TEL03-6206-4902
・スペースカフェ☆お茶の水 ウェブサイト
 http://scafe-news.sblo.jp/article/105694458.html

皆さまのご来場をお待ちしております。

日本宇宙フォーラム 広報・調査事業部
若松宏昌
posted by 事務局スタッフ at 19:29| UNIVERSEニュース