2013年05月22日

大学生と高校生がハイブリッドロケットを作って打ち上げるロケットガール&ボーイ養成講座YACチーム

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YACチームロケットをランチャーにセットして記念写真。
伊豆大島にて。(日本宇宙少年団提供)

2013年3月17日、東京の伊豆大島から全長約1m半のハイブリッドロケットが打ち上げられました。このハイブリッドロケットを作ったのは、実はいくつかの高校からロケットガール&ボーイ養成講座YACチームに集まった高校生たちです。
そして、この講座で、高校生にハイブリッドロケット の作り方から打ち上げまで、プロジェクトマネージメントも含めて指導しているのは、関東のいくつかの大学から集まったCOREというハイブリッド ロケットの製作、打ち上げを行っている大学生のみなさんなのです。

教材としてもすぐれているハイブリッドロケット
ハイブリッドロケットとは、推進材が、液体の酸化剤と固体の燃料を組み合わせたものです。火薬や高圧ガスを使わないため、比較的安全性が高いロケットです。うまく作れば、数百mもの高度に達しますので、上空で空き缶サイズの模擬人工衛星を放出させることもできます。ロケット自体は、パラ シュートなどを使って回収します。安全確保については企画運営側が徹底した管理を行い、またその安全に対する意識も高校生に学んでもらいます。

高校生が自ら考え、製作、打ち上げるロケットガール&ボーイ養成講座
「理数が楽しくなる教育」実行委員会が主催する講座で、製作の支援は、各拠点それぞれの担当機関によって行われます。YACチームは、公益財団 法人日本宇宙少年団(YAC)が担当しています。ハイブリッドロケットの設計・製作・打上げまで、
すべて高校生が行います。高校生自身が問題点を発見し、仲間と協力して解決に挑むことで、技術だけでなく、プロジェクトマネジメントやチームワークを学びます。

・ロケットガール&ボーイ養成講座のホームページ

高校生を指導する大学生チーム「CORE」
2013年のYACチームは、1月13日のキックオフミーティングから始まりました。
3月の打ち上げまでの3カ月間、班ミーティングや全体会、 製作を行って行く最初のミーティングで、大学生チーム「CORE」によって、高校生がスケジュールや内容を自ら考えていけるように進められまし た。「CORE」は、Challengers Of Rocket Engineeringの略で、関東圏大学の学生が集まり、ハイブリッドロケットの製作を行っている団体です。

・「CORE」Challengers Of Rocket Engineeringのホームページ

YACチームの2013年の製作と打ち上げ、そして発表
YACチームの高校生は、ロケット本体を担当する機体班と、放出機構などを担当する電装班に別れ、班ミーティングと全体会を繰り返して、1月 ミッション決定、2月機体製作、3月機体完成、打ち上げというスケジュール、「高度1kmに到達し、安全な着地」「センサによる軌道計算 センサ データからロケットの軌道を逆算」「音波を用いたドップラー効果の観測 ブザーを使用」「カメラによる動画撮影 小型カメラで揺れ・回転・移動経 路を記録」というミッションを自ら設定しました。主にスカイプやメールを使って連絡を取り合いながら製作をすすめました。

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YACチームのロケットの搭載配置図。(日本宇宙少年団提供)


ロケットを打ち上げるのに不可欠な燃焼については、COREの大学生が燃焼講習会として、高校生たちにプレゼンテーションをして、燃料、エンジ ンなど基本的なことから、COREの燃焼班が行っている燃焼シークエンス、地上設備GSEの説明を行っていました。また、実際にロケットが到達する最高高度を高校の物理で解けるレベルで解析してみるといったクイズを出題するなどしていました。

製作に関しては、高校生は初め、受け身的であったり、仲間同士の意思疎通がうまくいっていないところが見受けられましたが、COREの大学生は 必要最低限の指示しか出さないので、そのうち高校生たちも、これではロケット製作が進まないと感じたのか、自分たちで考えを出し合って、励まし 合って、コミュニケーションを活発にすることを始めるようになりました。設計はうまくできていても試験では思い通りにうまくいかないことも多々あ り、最後は大学生がフォローすることもありましたが、そういう経験を通して、スケジュールや見通しの立て方について学んでいるようでした。

中間発表会では、高校生が製作するロケットのミッションと製作進行状況をプレゼンし、大学生などから講評を受けていました。

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中間発表会の様子。(日本宇宙少年団提供)


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解放機構について話し合うYACチーム。(日本宇宙少年団提供)


3月、打ち上げ実験は、東京の伊豆大島で行われました。宿にいる間も最後まで調整を続けていました。こういった、スケジュールや見通しについて は、講座の最後の最後まで、なかなかうまくいかず難しかったという意見が高校生からは聞かれ、身にしみてチームで1つのプロジェクトに取り組む難 しさを体験したようでした。

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電装班は、打ち上げ直前までプログラムの内容を確認していた。
(日本宇宙少年団提供)


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伊豆大島の強風の中、ロケットを組み立てるYACチーム。
(日本宇宙少年団提供)


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ロケットをランチャーにセットする。(日本宇宙少年団提供)


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ロケットをランチャーにセットする。(日本宇宙少年団提供)


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YACチームロケット「バーバー」打ち上げ(ビデオからのキャプチャー画像)
(日本宇宙少年団提供)


YACチームのロケットの打ち上げ結果は、高校生によるその後の分析から、機体としては、開放機構が作動しパラシュートを出すことはできたが、 パラシュートが完全に開かず落下し、機体が真っ二つになってしまい、電装としては、カメラ、センサー全て正常に機能し、記録に成功したという結 果ということでした。YACチームのメンバーは、「作業は困難の連続だったけれど、打ち上げはすごく感動した。ぜひ皆さんにも体験してほしい。」 と語っていました。

YACチームのロケットガール&ボーイ養成講座での取り組みについては、4月20日に開催された「高校生の宇宙教育シンポジウム」にてYAC チームのメンバーが発表をしているので、そちらをご覧下さい。

・高校生の宇宙教育シンポジウム Ustream

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高校生の宇宙教育シンポジウムでのYACチームの発表。
(日本宇宙少年団提供)


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公益財団法人日本宇宙少年団 小島俊介

posted by 事務局スタッフ at 17:44| UNIVERSEニュース