2015年03月26日

ペンシルロケット発射60周年を機に実験場所の正確な位置を調べました

国分寺市でペンシルロケットの水平発射実験が行われた頃、私は国分寺市立第四小学校に通っていました。とはいえ、まだ3年生になったばかりで、当時は何もわからず、日本のロケット開発の原点ともいえるこの実験が、自分の住んでいた近くで行われたとことを知ったのは、だいぶ後になってのことです。

ペンシルロケットの実験は、現在早稲田実業学校高等部のグラウンドになっているあたりで行われました。子供の頃に地元に住んでいたものとして、私は長い間、実験が行われた正確な場所を知りたいと思っていました。実験が行われた試射場は埋められてしまったために、「だいたいこのあたり」ということは分かっていても、「ここです」とは、なかなか言えなかったのです。

60周年を迎えるにあたって、私は国分寺市にご協力をいただきながら、ペンシルロケット実験が行われた場所を正確に求めるための調査を行いました。当時の地図、JAXA宇宙科学研究所に残っている実験時の写真、航空写真などを分析し、さらに当時のことを知っている方々にお話を聞きました。
その結果、実験場所の正確な位置が明らかになりました。その場所がどこであるかは、4月11日から4月19日まで国分寺市立本多公民館ホールで開催される企画展「ペンシルロケット60年目の待ち合わせ in 国分寺」で、パネル展示される予定です。

ペンシル実験が行われた半地下のコンクリート構造物は、今も「遺跡」のようにグラウンドの下に眠っています。今回明らかになった場所を、将来、地中レーダーなどの方法で実際に確認していただけないだろうかと、私は思っています。

日本宇宙フォーラム 寺門和夫
posted by 事務局スタッフ at 11:21| UNIVERSEニュース

2014年11月17日

ひまわり8号/H-IIAロケット25号機 打ち上げパブリックビューイング開催レポート

『スペースカフェ☆お茶の水』初となる打ち上げパブリックビューイング
10月7日、静止気象衛星「ひまわり8号」を搭載したH-IIAロケット25号機が、快晴の空の下、JAXA種子島宇宙センターから打ち上げられたのは、記憶に新しいところです。

今回は、JAXAの人工衛星が打ち上げられる時とやや勝手が異なったため、打ち上げパブリックビューイングの開催は少なかったようですが、御茶ノ水を宇宙の研究開発や科学の情報発信拠点とするべくスタートした地域連携活動『スペースカフェ☆お茶の水』(詳しくはhttp://www.scafe-ocha.jp/をご覧ください)としては、日本一有名な人工衛星の打ち上げの様子を、地元の方々と一緒に応援することとしました。

三省堂書店神保町本店とお茶の水小学校の協力を得て
独自の活動施設がないヤドカリ『スペースカフェ☆お茶の水』としては、そこそこの人が集まれる開放的な空間をご提供いただける「スポンサー」探しからスタートしなければならないのですが、この夏に開催した「子ども宇宙教室」に引き続き、三省堂書店神保町本店が全面的に協力してくださることになりました。しかも今回は、お店の一等地である玄関先を開放いただけるという、大変ありがたいお話でした。

パブリックビューイングの醍醐味は、大勢の皆さんと心を一つにして、緊張感を分かち合いながら打上げの様子を見守り、成功の喜びを共有することにあると思うのですが、今回ご提供いただいた場所は、まさにうってつけの空間でした。

会場が無事決まったところで、次なる課題は集客です。
今回の打ち上げ予定時刻は午後2時16分。早すぎず遅すぎず、適度な時間帯ではありますが、平日ということで、どこまで集客が見込めるかは未知数でした。もちろん、事前のウェブサイトでの告知や三省堂書店の店内告知など、可能な対応や協力をお願いしていたところですが、話題性を引き出すための工夫を施そうとの発想から、「子どもたちを招待しよう!」ということになりました。

平日の都会の一角で、子どもから大人まで幅広い層の人たちが、打ち上げの瞬間を見る・・・。イベント主催者としては、この上ないシチュエーションです。
善は急げということで、早速スペースカフェのスタッフが、地元お茶の水小学校の教頭先生をお訪ねしてご相談したところ、その場でご賛同いただき、同校の3年生児童約30名が見学に来てくれることになりました。

子どもたちの声援に後押しされて
10月7日午後1時30分、予定の時間ピッタリに、お茶の水小学校3年の生徒さんたちが会場に到着。その表情から、今日のイベントを楽しみにしてくれていた様子が分かりました。生徒さんと先生の着席を確認し、いよいよイベント開始です。

今回は、放送の内容が「大人向け」とのことでしたので、打ち上げ前後の時間帯や、ひまわり8号がロケットから切り離される時間帯以外は、イベント会場独自の解説で進行することとしました。
イベント開始から打ち上げ予定時刻までの約45分間、生徒さん達の集中力を保つことができるか、少々気がかりではありましたが、我々の解説に一生懸命耳を傾け、また質問などにも元気よく答えてくれながら、あっという間に時間が経過していきました。

予定では、打ち上げ10秒前からカウントダウンを行うつもりだったのですが、実況放送のカウントダウン音声につられる形で、打ち上げ20秒前くらいから、子どもたちによる大合唱が始まりました。
・・・3、2、1、0!
子どもたちの元気な声援と、子どもたちの背後から打ち上げの様子を見守っていただいた多くの方の期待に後押しされながら、ひまわり8号を搭載したH-IIAロケット25号機が、快晴の空の下、力強く打ち上がって行きました。
子どもたちの日ごろの行いが功を奏したのでしょう、この日の種子島は雲一つない晴天に恵まれ、固体ロケットの分離はもちろんのこと、普段なかなか見ることができない衛星フェアリングの分離の瞬間(打ち上げ約4分5秒後、高度約142km)まで確認することができました。

その後ロケットは青空に吸い込まれて見えなくなり、まずは一安心といったところですが、ひまわり8号がロケットから無事切り離されるまでは油断禁物です。打ち上げから約28分後に予定されているその瞬間に備え、会場は一時ホールド状態(トイレ休憩)に入りました。小学校のトイレとは広さも備えも異なるため、引率の先生はさぞ大変だったかと思いますが、衛星分離の瞬間までに全てのお子さんがミッションを終え、戻ってきてくれました。

衛星切り離しの瞬間のライブ映像は届かないため、打ち上げの時とは違った緊張感に包まれた様子でしたが、中継のアナウンサーによる「衛星分離!」の声が届いた瞬間、会場からは拍手が湧き起り、打ち上げ成功の喜びを共有することができました。

着実に進化している日本の宇宙開発技術
打ち上げパブリックビューイングは、打ち上げ直前での延期を想定しておかなければならず、リスクの高いイベントではありますが、最近はそういった事態に遭遇することは少なくなりました。
昨今のH-IIAロケットは本当に優秀で、9号機の打ち上げ以降、天候による延期を除き、「定刻打ち上げ」を継続しています。この事実は、H-IIAロケットの信頼性の高さと、オペレーション技術の高さを物語っており、本当に頼もしい限りです。
今回のイベントを通じて、日本の宇宙開発技術の進化を改めて実感することができました。

次回「はやぶさ2」打ち上げパブリックビューイングのご案内
「ひまわり8号」の打ち上げから休む間もなく、今月末には「はやぶさ2」の打ち上げが予定されています。今度は、千代田区役所1階の区民ホールをお借りして開催いたしますので、ぜひ会場にお越しください。

☆「はやぶさ2」打ち上げパブリックビューイング
・日時:平成26年11月30日(日)12:30〜16:00(予定)
 ※打ち上げ予定時刻:13時24分48秒 
 ※打ち上げ日時は変更になる場合があります
・会場:千代田区役所1階 区民ホール 100席(立見可)
 ※参加費無料、入退場自由
・ゲスト:宇宙航空研究開発機構(JAXA) 山田哲哉
 モデレータ:日本宇宙フォーラム(JSF) 寺門和夫
・主催:千代田区、スペースカフェ☆お茶の水 実行委員会
・問合せ:(一財)日本宇宙フォーラム TEL03-6206-4902
・スペースカフェ☆お茶の水 ウェブサイト
 http://scafe-news.sblo.jp/article/105694458.html

皆さまのご来場をお待ちしております。

日本宇宙フォーラム 広報・調査事業部
若松宏昌
posted by 事務局スタッフ at 19:29| UNIVERSEニュース

2014年11月12日

系外惑星系に名前を付けよう−天文クラブが名付けの親に−

1.天文クラブの登録を!

1995年にペガサス座51番星において系外惑星が初めて発見されて以来、2014年11月5日現在、その数は1,849個にものぼります。これらのほとんどは天文学研究用の装置によって発見されていますので、彗星や小惑星のように天文愛好家が発見に関与することは僅かです。
しかし、系外惑星に勝手に名前をつける動きや、命名権を売ろうとする動きなどが外国では起こっています。これらの不当な活動を抑制する必要性もあり、国際天文学連合(IAU)では、組織的に系外惑星に名称を与えることにしました。

初回の今回、命名される候補惑星系は、2008年12月31日までに論文で発見が伝えられた候補天体から、存在がほぼ確定したと思われている260の惑星系(305惑星)です。この中には日本人が発見に関わっている惑星も数多くあります。

名称を提案できるのは、今年(2014年)12月末までにIAUにクラブ登録が完了した各国の天文サークル、天文同好会、天文部などのグループです。天文クラブには学校や職場のクラブ、サークル単位なども登録可能です。日本宇宙少年団(YAC)の各分団も登録しませんか?

2.惑星系に名前を付けよう!
予定では、2015年1月にIAUがすでに提示している惑星系リスト(260系)の中から、天文クラブ毎に「命名したい惑星系」をインターネット上で投票します。上限はありますが複数の系に投票可能です。その結果、投票数が多かった20〜30程度の惑星系に名前を付ける作業に進みます。

IAUが1月中に提示する20〜30の惑星系の中から、各天文クラブは1惑星系のみ選んでその名前を2月中に提案できる予定です。惑星系の名前とは、恒星の名前とそのまわりを回る個々の惑星の名前です。例えば、3つの惑星が見つかっている惑星系では、恒星の名前と個々の惑星の名前の計4つの名前をセットで提案してもらいます。 

そして、登録した人なら誰でもが個人で参加できるインターネット上での投票によってこれらの太陽系外惑星系の名称が決まります。

この名称については、2015年8月3日〜14日まで、ハワイ州ホノルルにて開催される国際天文学連合総会によって発表される予定です。詳しくは下記に示すIAUの「惑星系命名」ウェブページ(英語)や、日本語でサポートしている日本天文協議会 IAU太陽系外惑星系命名支援WGの「惑星系命名 日本語情報」ウェブページをご覧になって、ぜひ命名にご参加ください。

・IAU 惑星系命名サイト
 http://nameexoworlds.org/ 

・惑星系命名 日本語情報サイト
 http://exoplanet.jp/

注:日本天文協議会 IAU太陽系外惑星系命名支援WGのウェブページは天文教育普及研究会の太陽系外惑星命名支援WGが中心となって運営しています。

大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台
天文情報センター・普及室長 縣 秀彦
posted by 事務局スタッフ at 12:17| UNIVERSEニュース